甘くも苦い誘惑に溺れて
突然の婚約白紙へ
家へ着くと黙ったままの拓也はスタスタと歩いて部屋へと入る。
「…拓也…どうしてさっきから…話してくれないの?」
「……………」
「ねぇ…何とか言ってよ?!ずっと黙ったままで、何考えてるの?!」
駄目ってわかってても強く言葉に出してしまった…。
無言だけは…耐えられないの。
無言だけは…やめて………。
まるで…あの時、家族の身元確認をした時の事を思い出すの…。