甘くも苦い誘惑に溺れて


「…ヒクッ…拓也っ……頑張ろうね…っ…」




私は手を伸ばしぎゅっと拓也の手を握り締めた。



拓也…私はどんな存在であろうともずっと拓也の傍に居るから…。



ずっと…傍に居る。



拓也は一人なんかじゃないからね。



一緒に…頑張って行こうね。



拓也の手はこんなにも温かいのに何故、拓也は起きないの…?



どうして私だけ…こんな軽傷で済んだの?



私が…拓也の代わりに…なればよかったのに。



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