甘くも苦い誘惑に溺れて


「……拓也……拓也っ!」




何度も拓也の名前を呼びながら私はナースコールを鳴らしてぎゅっと拓也の手を握り締めた。




「…拓也っ……拓也…起きて、拓也っ」




ピクンと指が動くと拓也はゆっくりと目を覚ました。




「…拓…也……っ…拓也っ」



堪える事の出来ない涙を流して拓也を見つめていた。



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