甘くも苦い誘惑に溺れて


「……彰…ちゃ…ん…」



大好きな人の姿を見た時
体がカタカタと震えて涙が沢山溢れた。



…居た…彰ちゃんが…。



まだここに…居た…。




「…何してんだ…こんな体で」




私の前へしゃがんで私を見つめる彰ちゃんの鋭い視線からは怒りと心配とが映し出されていた。




「……よかった…っ…間に合って」


「……病院、戻るぞ」


「…ま、待ってっ!」




私を起き上がらせ様とする彰ちゃんの胸へぎゅっと力強く抱き着いた。



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