甘くも苦い誘惑に溺れて


「……優菜…?」


「…どうして何も…言ってくれなかったの。…彰ちゃんは…隠し事が多過ぎる…」


「……………」




バーでの再会の時といい…。



婚約破棄の時といい…。




「…どうして……私に会いに帰って来たって…言ってくれなかったの…」


「……言える訳ねぇだろ…」




彰ちゃんは…不器用なのね…。



昔っから、そうだった。



言葉数が少なくて…何を考えてるのかわからない人だった。



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