甘くも苦い誘惑に溺れて


病院へ着くとベッドへ寝かされすぐに鎮静剤が打たれた。




「…はぁ……ったく…何してんだ…」


「…ごめん…なさい…」




また…迷惑を掛けてしまった。



彰ちゃんに迷惑を掛けるつもりで空港行った訳じゃないのに…。




「…彰ちゃん……好…き…」




今まで伝えたくても伝えられない言葉を口にした途端この10年間の想いが溢れて溢れそうになる涙を堪えて、彰ちゃんを見つめた。



好き…ずっと好きだった。



そして今も、好きな気持ちは何も昔と変わらない。



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