甘くも苦い誘惑に溺れて
「お待たせ。仕事が長引いちゃって…。だいぶ、待った?」
「嫌、大丈夫だよ。それより優菜…。もう、大丈夫なの?」
今日は拓也とのデートの日。
許婚と言ってた彼とはかれこれ二週間近く会ってないんじゃないかな。
お互いに連絡先すら聞いていないから会わなくて当然なんだけど…。
「…ええ、大丈夫よ。それより、ご飯食べに行かない?お腹空いたわ」
私は拓也の手を取り腕を組むと歩いて繁華街へと向かった。