すき、きす。
第一章
01
「…っ!……い!
<font size="4">坂井っ!</font>」
「え」
半開きにしていた(なっていた)口を慌てて塞ぎ
前に向き直った。
「も〜
さっきから呼んでるのにぃ」
地毛の茶色い髪をくるくるいじりながら、りーちゃんは口を尖らせている。
「ごめんごめん!」
「なーに見てたの?」
と窓の外を覗き込みながら、沙耶ちゃんは聞いた。
「アレ」
私が指をさした先には
ドッチボールをしているクラスの男子達。
「何々、クラスの男子?」
坂井、誰かに恋したか〜?と悪戯っ子のような笑顔で七海が言った。