灰かぶり姫 -spinoff-
俺の引越まであと3日までせまった春休みの事。
俺の母親と俺、美由紀の母親と美由紀で最後に食事をしようという事になった。
レストランにランチの予約を取ったらしく、俺の母親は1週間前からその話題でずっと盛り上がっていた。
そしてその前日。
宿題がなくとも美由紀の部屋に入り、美由紀に憎まれ口を叩く自分。
もうすぐ、この泣き顔が見れなくなると思うと「最後にもっと泣かせてやろう」なんてジャイアンもびっくりな考えが及ぶ。
「お前、明日の事聞いてる?」
「あぁ…うん…」
「行くの?」
「え…あ、うん…」
「ふーん」
まるで「行くな」とでも言っている風な態度。
それが伝わったのか、美由紀からは「雪は?」と返事が返ってきた。
「俺、お前が行くんやったら行かんとこかな」
どうして最後くらい「優しくしてやろう」と思えなかったんだろう。
こんな最低な態度しか取れなかったんだろう。
後々、この泣き顔が自分を苦しめる事になると気付いていればもっと違った方法が取れたのだろうか。
俺の母親と俺、美由紀の母親と美由紀で最後に食事をしようという事になった。
レストランにランチの予約を取ったらしく、俺の母親は1週間前からその話題でずっと盛り上がっていた。
そしてその前日。
宿題がなくとも美由紀の部屋に入り、美由紀に憎まれ口を叩く自分。
もうすぐ、この泣き顔が見れなくなると思うと「最後にもっと泣かせてやろう」なんてジャイアンもびっくりな考えが及ぶ。
「お前、明日の事聞いてる?」
「あぁ…うん…」
「行くの?」
「え…あ、うん…」
「ふーん」
まるで「行くな」とでも言っている風な態度。
それが伝わったのか、美由紀からは「雪は?」と返事が返ってきた。
「俺、お前が行くんやったら行かんとこかな」
どうして最後くらい「優しくしてやろう」と思えなかったんだろう。
こんな最低な態度しか取れなかったんだろう。
後々、この泣き顔が自分を苦しめる事になると気付いていればもっと違った方法が取れたのだろうか。