灰かぶり姫 -spinoff-
「雪」



部屋でベッドに横になっていたところに母親が訪ねてきた。



「何?」


「何かなぁ…アンタ、こっち来てから前みたいに元気ないやろ?」



ドキっとした。


明るく振る舞っていても、母親にはバレるものなのかもしれない。



「やから…アンタ元気になったらえぇな思うてな…ほら!」




母親の手からちょこんと顔を出したソレ。


最早テレビでもおなじみの目玉ウルウル犬。



「………チワワ?」


「可愛いやろぉ~?料理教室の生徒さんの家で飼ってる犬が子供産んでな?ほんで今日もらってきたんよぉ~」



俺の為とか何とか言いながら、自分が飼いたかっただけの様に思えるのは気の所為だろうか?
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