灰かぶり姫 -spinoff-
「このチョコ美味しいねー」
ふと聞こえてきた方向に目をやった。
クラスの女子2人が新発売らしいチョコレートを口にしていて、今見たメールを忘れたくて、とにかく1人でいたくなくて気付けば話しかけていた。
「何食べてんの?俺にもちょーだい」
「あ、雪ちゃん。残念でしたー、もうね、最後の1個食べちゃった」
「えー、意地悪。ほな、そこにあるやつちょーだい?」
その女子の口に入ったチョコレートを指さして言えば一瞬キョトンとしたその女子はすぐにニッコリと顔を緩ませた。
「えー…別にいいけど…。その代わり、雪ちゃんから取りにきてよ」
「ほな、遠慮なく」
上下の唇にはさまれたチョコレートを怯む事なく口で取り、そのまま相手の口内に自分の舌を潜りこませた。
まるで、舌についたチョコレートさえ取るようにしっかりと舌を絡ませ、いい加減相手の口内から甘さがなくなってようやく自分の口を離す。
「ん、美味いなコレ。ごちそーさん」
「どういたしまして」
きっと、この女子だって慣れているに違いない。
事実、俺がどんなに舌を絡めようとたじろぐ素振りさえ見せず、逆に絡ませてきたんだから。
こういう相手は楽でいい。
お互い遊びでいられるから。
だけど、やっぱり心のどこかで虚しさが残っていた。
ふと聞こえてきた方向に目をやった。
クラスの女子2人が新発売らしいチョコレートを口にしていて、今見たメールを忘れたくて、とにかく1人でいたくなくて気付けば話しかけていた。
「何食べてんの?俺にもちょーだい」
「あ、雪ちゃん。残念でしたー、もうね、最後の1個食べちゃった」
「えー、意地悪。ほな、そこにあるやつちょーだい?」
その女子の口に入ったチョコレートを指さして言えば一瞬キョトンとしたその女子はすぐにニッコリと顔を緩ませた。
「えー…別にいいけど…。その代わり、雪ちゃんから取りにきてよ」
「ほな、遠慮なく」
上下の唇にはさまれたチョコレートを怯む事なく口で取り、そのまま相手の口内に自分の舌を潜りこませた。
まるで、舌についたチョコレートさえ取るようにしっかりと舌を絡ませ、いい加減相手の口内から甘さがなくなってようやく自分の口を離す。
「ん、美味いなコレ。ごちそーさん」
「どういたしまして」
きっと、この女子だって慣れているに違いない。
事実、俺がどんなに舌を絡めようとたじろぐ素振りさえ見せず、逆に絡ませてきたんだから。
こういう相手は楽でいい。
お互い遊びでいられるから。
だけど、やっぱり心のどこかで虚しさが残っていた。