灰かぶり姫 -spinoff-
次の日になって、即野沢ちゃんに声をかけた。


夏休みに会いに行こうと思ったまではよかったが、自分の成績の悪さ。


このままだと確実に補修漬けの日々になってしまう事は明らかだった。



「野沢ちゃん、お願い!テスト勉強教え…」


「うん、今忙しいからねー。またいつかねー」



…まだ全部言いきってへん。



「ちょ、野沢ちゃん!マジで…」


「はは、雪ちゃんてばまたまたー」



…埒あかんわ。



そう思った俺は一度その場を離れる事にした。


その時、昨日チョコレートをくれた女子と目が合った。



「おはよ、雪ちゃん」


「おー、おはようさん」



別に誰に頼んだって構わないんだけど。


だけど、彼女に頼めば勉強なんて二の次になってしまいそうだ。


今回ばかりはそうなるわけにいかなかった。
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