灰かぶり姫 -spinoff-
道行く人間が俺を見て不審気な視線を送る。


だけどそんなの少しも気にならなかった。


ずっと好きだった。


きっと今でも。


幸せを願ってる。


それは少しでも大人になりたい自分の見栄であり、ただのエゴでしかない。


本当はどんな手を使ったってここに残って美由紀の近くに居たい。


だけど、それをして周りに迷惑がかかる事をわかってる。


所詮、俺達はまだまだガキなんだ。



「……っ、っく、…ほんま…だっさいわ俺…」



地べたに座りこんでボタボタと落ちていく涙の跡を見続けていた。
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