灰かぶり姫 -spinoff-
「ばあちゃん、何言うてんねん。今更変な事言わんといてや。俺向こうでもいっぱい友達出来たんやで。やからそんな事気にせんとって」
笑ってそう言えば祖母は優しく微笑んでくれた。
次の日になって、祖父母が新幹線の駅までタクシーで見送りに来てくれた。
「雪ちゃん、またおいでや。次は新しいマンションの方にでもな」
「おう、ばあちゃんありがとう。じいちゃんも。お世話になりました」
優しい祖母と違い、厳格な祖父は頷いただけだったが、ポツリと「気をつけてな」と口にしたのが耳に届いてきた。
新幹線を待っていれば、こっちに戻ってきてからずっと遊んでいた奴らの顔ぶれが並ぶ。
「雪、またな!」
「おう、お前らも元気でなー」
「次は冬休みに戻ってこいよ!」
「おぉ、せやな。そん時はまた遊ぼ!」
冬休みには戻ってこないつもりだった。
春休みもきっとその次の夏休みも。
戻ってきたところで祖父母の家がなくなってしまい、泊まる場所もないというのはもちろん、美由紀の事を諦める事が出来るまではここに来るのはやめようと決めた。
戻ってくればまた会いたくなる。
『次は懐かしい気持ちで』
そんな事を口にしたのは自分のクセに、それが叶うのはいつになるのだろうとすら思えてしまう。
笑ってそう言えば祖母は優しく微笑んでくれた。
次の日になって、祖父母が新幹線の駅までタクシーで見送りに来てくれた。
「雪ちゃん、またおいでや。次は新しいマンションの方にでもな」
「おう、ばあちゃんありがとう。じいちゃんも。お世話になりました」
優しい祖母と違い、厳格な祖父は頷いただけだったが、ポツリと「気をつけてな」と口にしたのが耳に届いてきた。
新幹線を待っていれば、こっちに戻ってきてからずっと遊んでいた奴らの顔ぶれが並ぶ。
「雪、またな!」
「おう、お前らも元気でなー」
「次は冬休みに戻ってこいよ!」
「おぉ、せやな。そん時はまた遊ぼ!」
冬休みには戻ってこないつもりだった。
春休みもきっとその次の夏休みも。
戻ってきたところで祖父母の家がなくなってしまい、泊まる場所もないというのはもちろん、美由紀の事を諦める事が出来るまではここに来るのはやめようと決めた。
戻ってくればまた会いたくなる。
『次は懐かしい気持ちで』
そんな事を口にしたのは自分のクセに、それが叶うのはいつになるのだろうとすら思えてしまう。