灰かぶり姫 -spinoff-
『いいよ』



アッサリと了承した野沢ちゃんに少し驚いた。


何となく、断られそうな気がしてたのに。



「え、マジで!えぇの?!」


『え?うん。どうせ私も宿題終わってないし。暇だし』


「そかそか!ほんなら明日大阪のお土産も渡すわなー。明日2時ぐらいに家きてなー」



野沢ちゃんと電話を切り、次は美姫ちゃんに繋ぐ。


美姫ちゃんも了承してくれて後は純だけ……というところで考えついた。


俺が電話するより、美姫ちゃんからかかってきた方が純も喜ぶだろうと。


そう思った俺は美姫ちゃんに純への誘いを頼み、何かを言われる前に電話を切った。


用事が済み、手持ちぶさたになった瞬間舞い戻る虚無感。


ジっとしていられなくなり、とにかくどこかへ行こうと服を着替えてその日一日、久しぶりのこの土地をブラブラとあてもなく歩いた。
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