灰かぶり姫 -spinoff-
だけど、やっぱり2人にはさっさとくっついて欲しいと思う自分。



…悪いな、美姫ちゃん。


けど、もう少しだけおせっかいにならしてな。



そう思いながら俺は部屋を出てリビングへと向かった。





…とりあえずメールでえぇか。



そう思い、純に美姫ちゃんを迎えに来るようにと文章を打つ。


思いの外すぐに電話がかかってきた。



「今、俺んちやから。早く来たってや」



んで、謝るなり告白するなりさっさとしてまえ。



『……んなの、お前が送ってやりゃいーだろ』



拗ねたような態度を取る純に苛ついて挑戦的な言葉を零してやった。



「お前がけぇへんのやったらほんまに俺が送るで?俺が美姫ちゃんにキスしても文句言うなよ?」



別に本気で言ったわけじゃない。


俺だって友達と遊びの人間ぐらいの分別はつけている。


美姫ちゃんは紛れもなく友達だし、そんな事すれば間違いなく彼女のキャパはオーバーするだろう。


それに何より野沢ちゃんが怒りそうだし。


だけど、純には効果覿面だったようで、何を思ったのかアイツは俺に美姫ちゃんの事が好きなのかと聞いてきた。







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