灰かぶり姫 -spinoff-
部屋について、すぐに携帯が鳴る。


差し出し人は純からで、一言「着いた」とのメール。



…なんだかんだ言いながらめっちゃ早いし。



思わず笑ってしまいそうになるのをこらえて2人にお開きにしようと声をかけた。


マンション下まで行けば自転車を止めて待つ純の姿が目に映る。


もちろん美姫ちゃんは「何で?」という顔をしていた。


野沢ちゃんは「やっぱり」的な顔だった。


自転車を漕ぎだした野沢ちゃんを見送って純に声をかける。



「結構早かったなぁ」


「そうか?」


「急いで来たんや?」


「…別に」



何となく拗ねたようにも思える純を見て、結構可愛いところもあるんじゃないかなんて思えてしまった。









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