灰かぶり姫　-spinoff-
それから、ぽつりぽつりと男子達も登校してきた。


後から来た女子達も、皆同じように鏡に向かい化粧を施している。


その光景が異様なのか、男子達は教室の隅に集まってあまりそちらには目を向けようとしない。


その後、野沢ちゃんが登校してきて挨拶をすれば彼女も鏡に向かいだした。


何となく他の女子よりもその完成が気になってしまい、鏡を閉じた瞬間に声をかけようかと思っていたら、立ち上がった野沢ちゃんが美姫ちゃんのところへと向かう。


そして真剣に美姫ちゃんに化粧をしだしたので、もう少しだけ待とうと自分に言い聞かせた。



教室内をキョロキョロと見回せば少しづつ、女子達は化粧を終え始めているのがわかった。


その様子に男子はようやくホっと肩で息をついている。


チラリと純を見れば興味無いフリしながらもチラチラと美姫ちゃんの方向を見ていて、コイツも気になって仕方ないんだろうという事がわかった。
< 77 / 85 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop