灰かぶり姫 -spinoff-
美姫ちゃんの化粧が終わったのか、野沢ちゃんが美姫ちゃんに鏡を見せているのがわかった。
この時を待ってましたと言わんばかりに野沢ちゃんに抱きついて、いつもとの違いを確かめる。
緩く丁寧に巻かれた髪。
それを右下の方で1つにまとめて、普段よりも数倍大人っぽい。
化粧だって、いつもより睫毛が濃くなっていて、だけどケバすぎるという印象はない。
ほんのりと紅く染まった頬と艶の出た唇。
綺麗だと思った。
ここに居る誰よりも。
ここ最近、彼女が少しづつ綺麗になってきているのには気付いていた。
だけど今日は特別それが強く感じられる。
頬をすり寄せて可愛いと言えば彼女は俺をたしなめながらも突き放そうとはしなかった。
「綺麗」とはどうしてだか言えなかった。
普段使う事の無い言葉だからか、あまりに本気に聞こえてしまいそうで。
何故だか少し茶化して言うぐらいの方が自分には合ってる気がしてしまった。
途中、何度か他の女子に感想を聞かれたので同じように返事をした。
口では何とでも言える。
だけど、本心から綺麗だと思ったのは正直彼女だけだった。
この時を待ってましたと言わんばかりに野沢ちゃんに抱きついて、いつもとの違いを確かめる。
緩く丁寧に巻かれた髪。
それを右下の方で1つにまとめて、普段よりも数倍大人っぽい。
化粧だって、いつもより睫毛が濃くなっていて、だけどケバすぎるという印象はない。
ほんのりと紅く染まった頬と艶の出た唇。
綺麗だと思った。
ここに居る誰よりも。
ここ最近、彼女が少しづつ綺麗になってきているのには気付いていた。
だけど今日は特別それが強く感じられる。
頬をすり寄せて可愛いと言えば彼女は俺をたしなめながらも突き放そうとはしなかった。
「綺麗」とはどうしてだか言えなかった。
普段使う事の無い言葉だからか、あまりに本気に聞こえてしまいそうで。
何故だか少し茶化して言うぐらいの方が自分には合ってる気がしてしまった。
途中、何度か他の女子に感想を聞かれたので同じように返事をした。
口では何とでも言える。
だけど、本心から綺麗だと思ったのは正直彼女だけだった。