空色
『わー…なんかさっきより人増えてない?』

私も同感だ。何でだろ?さっきはあんまりいなかったのに…

『犯人はこれだろ』

優君が ため息を吹きながら言う。

私は優君の隣にはポスターらしき物が貼ってあった。

『えーっと…なんとかののすぺしゃるらいぶ…?』

池ちゃんがポスターに書いてあった文字を読む。

なんとかって…誰だろ?

『Aquaスペシャルライブ!』

優君が池ちゃんの言葉を言い直す。

『Aquaって今人気のアイドルグループだよね…』

『だからこんなに人混みが…』

『おまえらみたいか?Aquaのライブ』

『別に興味ない』

『私も』

どうやらみんな興味ないようだ。

『んじゃデパート行くか!』

私達はデパートに向かって歩きだした。

そしたらいきなり…

『きゃーAquaだぁー!!』

さっきの人混みがダッシュでこっちに走ってきた。後ろをみたら遠くにAquaらしき人達がいた。

『うわっなんだいきなり…』

『ヤバイ潰されるー』

『おい!手伸ばせ!』

『キャー!!』

私はとっさに誰かの手をつかんだ。

そして私と私が手をつかんだ人は人混みの中、走りだした。

もしかしたらこの手をつかんだ人が違う人だったら違う未来が待っていたのかな…。

人混みの中ただ覚えていたのは、

手の温もりと、
空が青かったことだった。


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