空色
私は人混みからやって出られたけれど、みんなとはぐれてしまったようだ。

『…危なかったー…』

いきなり私の隣で声がした。

隣を見てみると、

『か…翔…?』

『…アミ…大丈夫か…?』

『うん…平気…』

『みんなと逸れちまったな…』

息を切らしながら言った。

『このあとどうするの?』

『とりあえず…デパート行くか?』

『みんな居るかもだもんね!』

『よし!行くぞ』

そう言うと、翔は私に手を伸ばした。

翔の手を掴み私は立ち上がった。

『…ありがと』

私がニコッと笑うと翔の顔が赤くなった気がした。

きのせいかな…?

そして20分後。

『ここ…どこ…?』

『迷ったか…?』

私達はデパートに行くどころか店から離れ、人が全く歩いていないところに辿り着いていた。

『どうするの〜?』

『とりあえず歩くか…』

『うん』

私達はもう一度歩きはじめた。


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