空色
池ちゃん目線

私は素早く人混みから抜けだし、近くにあったベンチに座った。

一瞬、アミの姿が見えた気がした。

きのせいかな?

人混みをジーッと見てると何だか笑えてきた。

ニヤッと笑った瞬間…

ヒヤッ…

『冷たっ!』

私の頬に何か冷たい物が触れた。

後ろを振り向くとジュースをゴクゴク飲んでいる優の姿があった。

『ん!これやる』

私の頬にあてたと思われるジュースを差し出した。

『ありがとう』

私はジュースを飲みはじめた。

『ぷはぁー!美味い♪』

『おまえオッサンか?』

『ひ…酷い!オッサンじゃないし!』

ベンチから立ち上がった。

『じゃあ行くか!』

『どこに?』

私はキョトンとした顔で聞いた。

『デパートだよ!行こうとしてただろ!俺ら』

『そっか!』

『じゃあ行くぞ』

そう言うと優は歩きはじめた。

私も優のあとをついて行く。

でもこのまま行ったら…

私はその場にピタッと止まり、優の服の裾を引っ張った。

『わあ!…どうしたんだ?』

『ねぇ…どっかよってかない?カフェとか行きたいな…』

『……じゃあ行くか…!』

私の顔がパアッと明るくなる。

そして私達は近くのカフェに入った。


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