空色
家の階段を下りるとお母さんが私にむけて手招きをしていた。

『アミ、こっちこっち』

言われるままお母さんの所に向かう。

『何?』

『こちら、今日からお隣りに住む宮本さん』

そんなことで私を呼んだのか…。

別に私居なくてもいいんじゃない?

とりあえず挨拶しておこう。

『こんにちは、今日から中学生になりました。アミと言います』

完璧!!

『あら中学一年生なの?うちの翔も一年生なのよ』

うちの翔?一年生…?

あぁ!だからお母さん私を呼んだのか。

『翔です。今日から宜しくお願いします』

うわー礼儀正しい人だなぁ。

『礼儀正しいのねー。うちのアミとは大間違い』

失礼な!それでも親か!!

『それでは失礼します』

『えぇ、またいらっしゃって下さいね』

『はい』

あ…帰るんだ。

家のドアがゆっくり閉まる。

お母さんはニコニコしながらソファーに座りテレビを見始める。

私は自分の部屋へと戻る。

ドアを閉めるとベットに横になった。

『宮本翔…』

一言呟くとまた読みかけの小説を読み始めた。

これが君との出会いだった。




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