空色
観覧車乗り場につくと以外と空いていて、すぐ観覧車に乗れた。

観覧車に乗ると、どんどん気持ちが高鳴ってきた。

『わぁ〜綺麗…まだ明るいけど、町も見えるし…』

『そうだね』

私は後ろを振り向いた。

その瞬間。頭が真っ白になった。

『アミ…?どうしたの』

佑久の声が聞こえる。でも何を言っているか分からなかった。

後ろを振り向いた瞬間。前の観覧車の様子が見えた。

乗っていたのは…“綾”と“翔”だった。

私はすぐに前を向いた。

だって二人が“キス”をしていたから。

『ごめ…佑久…』

その瞬間あなたは私の体を抱き寄せた。

『翔のことなんか…早く忘れなよ…』

そう言うと、あなたは優しく私にキスをした。

前にもこんなことがあった気がした。

その懐かしさに体が温まってくる。

でもなぜか心には届かない。

何でだろ…相手が佑久だから?

キスも、抱きしめられたいのも…全部“翔”じゃなきゃダメなんだ…



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