空色
〜休み時間〜

『おい翔!何でもっと早く教えてくれなかったんだよ』

『ごめん…急に決まったことだからさ…』

『でも…もう翔に会えなくなるなんて寂しいね』

『でも土曜日だから見送りに行けるな』

『無理だよ…優』

池ちゃんが言った

『え?何で?』

『土曜日には大事なテストがあるし、だいいち学校あるし…』

『そうだった……見送りにも行けねーのかよ』

『来れても見送りには来ないでね…寂しくなるから』

翔の言葉に私達は何もいえなかった。


翔が転校するまでの間私達は学校でたくさん話した。

放課後は部活もあるし、翔が北海道に行くまで放課後はデートしたいと綾が言ったらしい。

だから翔と遊ぶことすらできなかった。

学級では翔のお別れ会がひらかれた。

泣いたりはしなかった。……泣けなかった。

翔のことをもうすぐ忘れられるってことかな…?



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