空色
目からは涙がこぼれてきた。

最初に浮かんだ言葉は


“会いたい”

…もう翔に会えなくなるなんて…そんなの嫌だ…!

制服の袖で涙をぬぐい立ち上がった。

『先生!私、帰ります』

『はぁ!?なんだと?』


みんなに笑われたって構わない。

『翔に会えるのは今日で最後かもしれないから…』

教室を飛び出し、私は家へと向かった。

貯金箱の中身をバックに詰め込み電車に乗って空港までへと急いだ。




空港に着くと出発ロビーを目指してひたすら走った。


『…アミ…?』

出発ロビーのイスに家族と座る翔を見つけた。

『…ちょっと来い!』

翔は私の腕を引っ張りひとけのの少ない所に連れてかれた。

『…なんで…ここにいるんだよ?』

『か…翔に会うため…』


『バカじゃないの?』

私は一旦呼吸を落ち着かせた。

『…手紙、大事にするね…ずっと覚えておくの。悲しかったけど嬉しかったこの恋のこと…』


いつの日もあなたを想う


『だから私にも言わせて
“ありがとう”』



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