空色
結婚式が終わると私は家へ帰った。

『…ただいまぁ〜』

家には誰も居なかった。

自分の声だけが家中に響く。

自分の部屋に行くと家のインターホンが鳴った。

『…?…誰だろ?』

玄関を開けるとそこには一人の男性が立っていた。


『えっと…どちらさまですか?』

その瞬間。その人が笑ったように見えた。

『…嫌だなぁ〜…忘れちゃったの?俺の顔』

『は?』

その人の顔をジッと見つめた。


何だか見覚えのある顔だった。


まさか………

『翔……?』



『アミただいま!!』

私はその瞬間、翔に抱き着いた。

翔だ…この懐かしい香。

『戻って来たんだね』

目に涙が浮かんで翔の顔がよく見えなかった。

『…帰って来るなら連絡すればよかったのに…』

『…だって連絡したらサプライズになんないじゃん』

『…サプ…ライズ…?』

翔はポケットからちいさな箱を取り出した。

『あけてごらん…』

私は箱についていたリボンをほどく。

箱をあけるとそこには……

『指輪…?』

翔は私の手の平にあった指輪をとった。

『左手だして…』

言われるまま左手をだすと、さっきの指輪を薬指に優しくはめた。

『ピタリだね…』

また涙がこぼれはじめた。

翔はスウっと息を吸い、私に向かって言った。




『アミ…“結婚”して下さい…』


…!嬉しさのあまり声がすぐにでなかった。

『…はい…』

そう言うと翔は優しく私の体を抱き寄せた。

『…アミ


“愛してる”…』


そう言うと翔はそっと私にキスをした。



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