好きな人争奪戦

「ちょ、待て。早まるな村田。俺は男だし、そもそも好きな人が…。」
「男同士でも愛があれば大丈夫!!好きな人はもういないだろ?」

「う゛ぅ…。」
「じゃあもう何の問題もないじゃん?」
と一歩ずつだが、近づいてくる。


「いや…男同士だし…。」
「男とか女とか関係ねーじゃん。なぁ…春。俺のこと…好きか?」
と聞いてくる。
 ヤバい。  
 流されそうだ。
 村田が男という事も忘れそうになる。
 しっかりしろ!!俺!!!


「わりーな村田。俺やっぱり村田をそーいう風には見れねーよ。」
と出来るだけ優しい言葉を選び断る。

すると村田が、左手を差し出し、

「…・手…繋いでくれないか…?」
と顔を下に向けながら言う。
 繋ぐくらいなら…。
そう思い手を近づけた瞬間【ガチャン】という音が…。
 …まさか…?

と思い手を見てみる。
俺の手に手錠が…。

「あっ…?」
 危険なわなにはまったのか…俺…。

「ごめんな春。でも俺どーしてもお前が欲しいんだよ。」
「ばっ!!バカ!!欲しいとかーっ!」
 少し照れる。
 いや照れている場合じゃねーよ俺!!
 あぁ…このまま俺強制連行されてカップルにされるんだぁぁぁっぁぁ。

けど、片方の手錠はついていない。
逃げれる確率はかなり少ないけれど、
    やってみる価値はある。

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