四畳半の茶室から

怖い、この人、怖い!!!


何?何でこんなに急に怒り出したの?!


「外したくないだと?お前、習いに来てるんじゃないのか?!」


「ひいっ!」


「ひいっ!じゃねーよ!茶道具が傷ついたらどーすんだよ!」


「すみませんっ!すぐ外しますので!!」


「あったりまえだ!早くしろ!」


っ…!


何なのよこの人…!!


指輪ぐらいしてたって良いじゃない!それにそんなにきつく言わなくてもっ!


「ほら、その腕時計もだ!先週まではどうしてたんだよ?まさか付けたまましてたのか?」


「いえ…腕時計は先週は忘れてきたし、指輪は一昨日から付けてるので……」


「あっそ。まぁ家元がそんなの許すわけねーよな」


「っな……」


そう言うとその男は、あたしが指から外し、畳の上に置いた指輪を手にとって、言った。

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