俺様彼氏の意地悪な唇(仮)
第一章 透明傘
それってありですか?
「志波…しょうた?誰ソレ」
あたし、『三沢 小春』。今年高2の女子高生。
情報通…なわけもなく時代に乗り遅れてるような阿呆です。
だから、興味ない男の子の話題についてなんてさらさら耳も傾けたことはないあたし。
「知らないの――ッ?!超人気じゃん!冷淡美麗な志波くん」
「しらなーい。この学校?うちの学年?」
「うっわ…乗り遅れ、でたぁ…(笑)」
ケラケラ笑う親友、美樹。確かに、あたし情報に乗り遅れてますけど?!!
そんな笑わなくったって…。
「なんていうかねー、王子様キャラってーのが妥当かな」
「へぇ」
顔を歪ませた美樹。あからさまに興味ない反応をしたあたしへの不満の顔。
えぇ、あたしが一番分かってますって。自分の興味有る無しの範囲が狭いことくらい。