俺様彼氏の意地悪な唇（仮）

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ…




「おーし、今から授業だからさっさと席に…――」






*　*　 *





「美樹ちゃーんッ♪お弁当の時間ですよぉ♪ふふふッ」





朝から楽しみにしてたお弁当の時間。お弁当を持って離れた美樹ちゃんの席まで移動。





毎日おんなじことの繰り返し。





「はぁ…小春は色気より食い気だよねぇ…うん。それでこそアンタだ」





うんうんと頷いてにっこりと笑う美樹ちゃん。






「早く食べよ?待ちきれないんだからぁ」





椅子をガタガタと揺らして催促。どんだけせっかちなんだって話なんだけど。






でも今はおなかがすいてるんですッ。






お弁当の包みを美樹ちゃんがはずす。この瞬間いつもドキドキなんだよね。





だって…





「ぅわ！今日も可愛い!!おにぎりが…コアラだッ」





「ふふーん♪頑張ってみました!特に自信あるのがねー…「いただきっ」






ひょいっと持ち上げられたコアラのおにぎり。それはあっという間になんでも飲み込むブラックホールへ。





「か、和…あんたぁぁぁ」





「…そんな怒らんとってやっ。めっちゃ美味いやん♪」





「…。」






やっぱり弱いなぁ、美樹ちゃんは。さっきまで和君睨んでたくせに。今は俯いて両耳を押さえてる。





照れたときの美樹ちゃんの癖なんだよね。