屍都市
「30過ぎてオールはちっと堪えるなぁ…」

そんな事を呟きながら、歩道をゆっくりと歩く。

ナンバー5まで登り詰めるのは早かった。

こりゃあホストが天職かもなと思っていたが、そこから先はなかなか思うようにいかない。

もう年齢も年齢だし、これ以上は無理かな…。

友達(ツレ)に誘われてる、あまり面白くなさそうな飲食店の支店長になるってのも選択肢の一つなのかもな。

考え事をしながらヨタヨタと歩きつつも、視線は道行く女性へ。

最早これは職業病だ。

品定めするように女性の頭から爪先まで視線を走らせる天野。

「そこの二人組!」

既に仕事は終わったにもかかわらず、彼は通りを歩く二人組の女子高生に声をかけた。

「俺さ俺さ、ホストやってんの。今度俺が仕事はねたら、一緒に飲みにいかね?んで君らが二十歳んなったら、俺んとこの店に客として来るってのはどう?『ジュピター』ってホストクラブのナンバー5なの。ヨロシク~」

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