屍都市
右手に警棒、左手に雄大の手。

どちらもしっかりと握って秀一は歩く。

先程の咆哮が気になっていた。

明らかに普通じゃない声だった。

威嚇するような獣の鳴き声。

一体何が起きたのだろう。

そう思いながら曲がり角を曲がった時。

「っ!」

秀一と雄大は思わぬものを目にする。

「見るな、雄大!」

秀一は咄嗟に雄大の目を覆う。

…それは、子供に見せるには少々凄惨な光景だった。

ライオンの入れられている檻。

その鉄格子越しに、雄のライオンがゾンビを食らっていたのだ。

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