屍都市
伸びてくるゾンビの腕、腕、腕!

「~~~~~っっ!!」

目を閉じ、歯噛みして、理子は覚悟を決める。

その瞬間!

「こっち!」

ゾンビとは違う温かい手が理子のブレザーの襟元を掴み、強引に校舎の入り口へと引き摺る!

そのまま。

「っしょっと!」

校舎入り口のシャッターを引き下ろす!

ガシャン!という音と共に、校舎内と校庭は鉄のシャッターによって塞がれた。

これで少しは時間稼ぎになるだろう。

「ふぅ…危ない所だったわね」

そう言って。

「貴女は…確か小野さん…」

見上げる理子に、幸羽は笑顔を見せた。

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