屍都市
聡の進む進行方向。

その先から、水音が聞こえてくる。

聡の足音とはまた別の、水の中を進む音。

「来たか」

右手の腕時計、左手の鎖を握り締める。

…彼の予想した通り、前方からやって来たのは数体のゾンビだった。

ツナギのような作業服を身につけている。

恐らくは下水道の点検などを職務とする作業員なのだろう。

…こんな場所が死に場所になるとは、気の毒な連中だ。

そんな事を思いつつ。

「おらぁっ!」

喧嘩は先手必勝!

適度な距離を置き、聡は左手の鎖を振るった!

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