屍都市
あれからどれくらいの距離を歩いたのだろう。

ゾンビも二桁に至る数を仕留め、全身返り血に染まりながら、聡は下水道の中に明かりが漏れている箇所を見つける。

下水道の天井…つまり地上から漏れている光だ。

ザボザボと大きな水音を立て、聡はその光の下へと移動する。

…見上げると、そこにあったのは丸い出入り口。

どうやらマンホールの蓋らしい。

そのマンホールへと続くように、梯子が伸びていた。

ここが、美原市外へと続く出口か…?

確証はない。

が、下水道に入ってから既に相当な距離は進んでいる筈だ。

ここが美原市外に通じているとしても不思議ではなかった。

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