屍都市
少なくとも下水道にいるゾンビは、殆ど聡が始末している。

この下水道を通れば、比較的安全に進めるのは間違いない。

「よし…仲間達に連絡を…」

ポケットの中の携帯に手を伸ばす聡。

しかし。

「待てよ…」

ここが本当に安全な脱出口であるとは限らない。

マンホールの外に出れば、まだゾンビの群れが徘徊している危険地帯かもしれないのだ。

完璧に安全な場所なのか確認するまで、ここに仲間を導く訳にはいかない。

携帯をもう一度ポケットに戻し、聡は梯子に手をかけた。

まずは自分がマンホールの外に出て、安全を確認してこよう。

< 152 / 241 >

この作品をシェア

pagetop