屍都市
遠のく意識が、一時的に戻る。

「う…あ…」

血塗れで横たわったまま、聡は何とか這いずろうとする。

「まだ…心花との約束も…果たしてなかったっけな…」

そう。

今度こそ俺が勝つんだ。

美原市で一等強ぇのは俺に決まっている。

秀一でも心花でもなく、俺が一番強いんだ。

だから、俺がみんなを守らないと…。

「待ってろ…心花…今…お前んとこ行って…」

僅かに戻った意識が、再び闇に閉ざされ始める。

「あん時の…続き…を…」

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