屍都市
理子が言い終わらないうちに、華鈴は通話を切った。

…理子はやっぱりすごいね。

ゾンビだらけになった学校からも生還するなんて。

流石スーパー女子高生!

それに比べて私なんて、オカルトな噂話しか取り得のない平凡な女子高生だよ。

…顔を上げる華鈴。

質のいい天パの彼女の髪が、潮風に吹かれてなびいた。

「私だって何か役に立たないと」

仲間達は、みんなそれぞれ特技を生かして生き残る為に、仲間の為に頑張ってる。

陰島からの生還者としてリーダーシップを発揮した秀一さん、看護師の技能を生かした小野さん、理子だって陸上部エースとしての実力を遺憾なく発揮したに違いない。

じゃあ、私は…?

< 164 / 241 >

この作品をシェア

pagetop