屍都市
茂みからベンチの方を確認する。

残念ながら、あの位置には身を隠す場所がない。

まるで警備するように、定期的にゾンビ達が往来している。

あの位置に近づくには、ゾンビに姿を晒すか一瞬の隙を突いて一気に接近するか…。

華鈴にはこれといった武器がない。

また理子のように足もそれ程速くはない。

無理をして危険を冒せば、それは即、死へと繋がる行動となる。

出来る限りゾンビに見つからないように。

華鈴は根気よくゾンビ達が途切れるタイミングを待つ。

そして、徘徊するゾンビ達がいなくなった瞬間。

(今だ!)

茂みの中から一気に駆け出す!

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