屍都市
正直、華鈴は運動は得意ではない。

理子と一緒に走ったりしたら、その足の速さに心臓がバクバクと鼓動を打つ。

理子ほどスポーツ万能ではないのだ。

それでも強い決意を秘めた華鈴の動きは、普段では考えられないほど軽快だった。

何より諦めない。

息が続かなくても、体力が限界を超えても、立ち止まる事なく走る!

迫るゾンビをフットワークでかわし、回避し、潜り抜け。

ようやく公園の出口まで近づいてきた。

同時に。

「華鈴っっっっっ!!」

聞き慣れた声。

ゾンビの大群の向こう。

今一番会いたかった人が駆け寄ってくるのが見えた。

理子と幸羽の姿!

「理子!」

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