屍都市
売店の隅に蹲ったまま、山田は思案する。

ここにいれば食糧には事欠かない。

が、現状維持が精一杯だ。

状況はいつまで経っても改善されない。

それどころかゾンビの数は増える一方だろう。

他の仲間からも脱出口が見つかったという連絡はない。

もしかしたら…もう生き残っている人間は自分一人なのではないだろうか。

最悪の事態が頭をかすめ、その考えを打ち消すように頭を振る。

どうする?

どうすればいい?

この場に留まって尚も助けが来るのを待つか。

それとも覚悟を決めて行動に移るか。

しかし、何かとドジを踏んでしまう自分が動いた所で、何が出来る?

苦悩に頭を抱えてしまう。

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