屍都市
今に彼はゾンビ達によって完全に包囲され、やがては捕まってしまうだろう。

ゾンビ達の腕力は異常だ。

子供の力で振り解くなど絶対に不可能。

雄大を囲む包囲が、どんどん狭められていく…!

(ああ…!)

我が事のように、山田は青ざめながら様子を見守る。

助けないと…あの子、ゾンビに殺されてしまう。

だけど、僕に何が出来るんだ?

自分一人の身を守る事もできない僕が、あの子を助けられるのか?

助けに行った所で、いつものようにドジを踏んであの子と一緒にやられるだけなんじゃないのか?

苦悩、葛藤。

山田の中で様々な思いが渦を巻く。

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