屍都市
立ち止まり、周囲を見回す純達。

この街もゾンビ達に襲撃されたのかと警戒心を強めたが、人間は勿論ゾンビの姿すら見当たらない。

喧騒の消えた街。

聞こえるのは、例のサイレンだけだ。

「一体どうしちゃったの?」

純が不安を掻き立てられた様子で言う。

彼女達が地下鉄通路を脱出している間に、一体何が起きたというのか。

その時だった。

「あなた達そんなとこで何してるの!」

一台のミニバンが付近の道路を通りかかり、運転席から一人の小柄な女性が声をかけてきた。

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