屍都市
それぞれが公園を出る直前。

「おい、あんた」

聡が秀一を呼び止めた。

彼は。

「!」

再び秀一の胸ぐらを掴む。

「聡っ」

止めようとする心花をも押し退けて、聡は彼を睨みつけた。

「いいか?のぼせ上がっていい気になってんじゃねぇぞ?お前みたいなリーマンでもゾンビどもから生き残れたんだ…俺は絶対生き延びてみせる。生き延びて、俺だってあんたに負けてねぇって事を証明してやるぜ」

聡の言葉に。

「…ああ」

秀一は笑みすら浮かべた。

「その意気だ。生き延びる事に執着する奴ほど生存確率は上がる。お前が彼女を守ってやれ」

「っ…!」

苛立ち紛れに、聡は秀一を突き放した。

「俺と心花はそんなんじゃねぇよっ!」

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