屍都市
「ねぇあんた」

純が秀一に声をかけた。

「若いのになかなかしっかりしてるじゃない。力もありそうだしね。サラリーマンなんてやめてウチに来ない?活きのいいのは大歓迎よ」

姉御肌の純の言葉に、秀一は笑った。

「職に困ったら世話になります…息子さん無事だといいですね」

「ええ、有り難う」

純が公園を出るそばでは、天野が幸羽に言い寄っていた。

どうやら共に行動しようとしているらしいが、幸羽はさっさと先に行ったようだ。

「チッ…」

その様子を秀一に見られ、天野はバツの悪そうな顔をする。

「あのヤンキー小僧が言ってたが…俺もお前の事をリーダーなんて思っちゃいねぇぞ?」

「構わないさ。そんなつもりで言ってたんじゃないからな」

秀一は頷く。

「…リーダー気取りの次は優等生気取りかよ」

気に入らなげに天野は吐き捨てた。

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