屍都市
「ちくしょおぉぉぉっ!」

滅茶苦茶に腕を振り回してゾンビと成り下がった仲間達を突き飛ばしながら、彼は囲みを抜ける。

容姿や洗練された身のこなしをモットーとするホストにあるまじき、無様で見苦しい姿で逃げる天野。

だがもういい。

ホストなんか辞めてやる!

目の前のどうしようもない絶望と己の中の迷いを混同し、彼は走りながら決意する。

美原市を生きて脱出したら、俺はホストなんて辞めてやる!

ホスト辞めて、友達(ツレ)に誘われてた飲食店の支店長して食っていくんだ。

どうせナンバー5に甘んじてた身だ。

挙句の果てにこんな化け物に追い回される末路。

ホストなんて続けても、ちっともいい夢なんて見れやしねぇ!

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