屍都市
そんなやり取りをしているうちに、また信号が赤に変わる。
「もうっ!」
苛立ち紛れにハンドルを叩く。
平日の朝だってのに、デジカメだの携帯だのいじりながら歩く普段着の若者がやたらと多い。
彼らのお陰で渋滞が悪化しているのだ。
昔はこの美原市は、観光客とは無縁の何の名物もない田舎町だった。
休日に、陰島(いんのしま)行きの連絡船に乗る観光客がチラホラ見かけられる程度。
その連絡船でさえ一ヶ月ほど前に突然廃止になって、この街に訪れる理由なんてもうない筈なのに。
…やっぱりアレかしら。
最近時々耳にする、あのくだらない噂だか都市伝説のせいかしら。
そんな事を考えながら、ふと。
「お」
純は車窓に見える光景に、思わず笑みを浮かべる。
「朝から活気があっていいわね…学生時代の私みたい」
「もうっ!」
苛立ち紛れにハンドルを叩く。
平日の朝だってのに、デジカメだの携帯だのいじりながら歩く普段着の若者がやたらと多い。
彼らのお陰で渋滞が悪化しているのだ。
昔はこの美原市は、観光客とは無縁の何の名物もない田舎町だった。
休日に、陰島(いんのしま)行きの連絡船に乗る観光客がチラホラ見かけられる程度。
その連絡船でさえ一ヶ月ほど前に突然廃止になって、この街に訪れる理由なんてもうない筈なのに。
…やっぱりアレかしら。
最近時々耳にする、あのくだらない噂だか都市伝説のせいかしら。
そんな事を考えながら、ふと。
「お」
純は車窓に見える光景に、思わず笑みを浮かべる。
「朝から活気があっていいわね…学生時代の私みたい」