屍都市
聡と別れ、心花は国道を走る。

普段なら歩道を通らなければ車に撥ねられる所だが、今日に限って言えばその危険はない。

大渋滞だ。

列を成した車は1ミリも前に進む事ができない。

「何やってんだコラァ!」

「早く前進め!」

「急がねぇと化け物どもが追いついてくるだろうが!」

口々に叫ぶ運転手達。

クラクションも鳴り止む事はなかった。

< 66 / 241 >

この作品をシェア

pagetop