屍都市
「っ……!」

歯噛みし、拳を握り締め。

心花は自衛隊員達を睨んだ。

理不尽だ!

筋が通っていない!

大勢の国民を助ける為に、美原市の人間は切り捨てるってのか!

助ける努力もせず、寄生虫を駆除する方法も考えず、私達を見捨てるってのか!

大勢が助かるならば、僅かな犠牲は止むを得ない。

そんな考え方が、心花は我慢ならなかった。

「おい自衛隊!」

部隊長を指差して叫ぶ。

「てめぇら何の為に毎日税金使って銃撃つ訓練してんだ!その手に持ってる銃は何なんだ!」

守れるだけの力があるのに何もしない。

心花はそれが許せなかった。

「そんなとこ突っ立ってる暇があんなら、一匹でも多くゾンビぶっ倒して市民を守りやがれ!」

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